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2002年10月3日(木) 金木犀
今日、この辺りの金木犀が一斉に開花した。
今年の開花は少し早いようで、猛暑の影響かもしれない。

金木犀が開くと、父を憶う。
父が亡くなった翌朝、夜間に病院から連れ帰った父の亡骸は階下にあり、当時生後3ヶ月だった裕明の授乳のために2階の部屋で仮眠をとっていた私が目覚めて、開いた窓から滑り込んできたのは、金木犀の香りだった。
私が高校1年の年に建てた家の小さな庭に父が植えた金木犀は、10年を経て2階のベランダに顔を覗かせるほどの大木になって、毎年、金木犀が開くと2階の部屋はむせかえるほどの香りが漂っていた。
金木犀の根元に、石を組んだ置き物があって、確かそれは、父が家が完成した直後に誰かから貰ってきたものだったのだが、母は「お墓みたい」とあまりいい顔をしていなかった。
やがて、父は小さな骨となり、お墓の手配がつくまで、母の実家のお墓にしばらく居候させてもらっていた。
その時に、父のお墓の印として使われたのが、金木犀の根元で雨に打たれ、落ち葉をかぶり、落花を貼り付かせていたあの石だった。

毎年、金木犀の開花を知ると、あの朝の切ない気持ちが蘇る。
父と仲良く過ごした思い出は、小学校中学年で止まっている。
絶えず喧嘩していた記憶ばかりで、今もしも父が生きていたら、もう少し仲良くできていただろうか。
それとも、相変わらず喧嘩ばかりしていただろうか。
決して器用に世渡りをする人ではなかったので、失敗の多い人生だった。
でも、曲がったことが大嫌いで、正直すぎるほど正直で、人のために尽くすことを厭わない人だった。
そして、「生きてるうちに起きたことは、必ず帳尻が合うようになってる」と言う人だった。

ん〜〜。おとうさん、私はまだ帳尻を合わせられるほど、長く生きていないのかもしれません。
でも、最近やっとお父さんの娘だということを誇りに思えるようになってきました。

今日は、たくさんの人から慕われ敬われた人が天に昇っていかれた日でもありました。
金木犀が開くと思い出す人がまた一人。
2002年10月9日(水) 何気なく
とある掲示板を覗いて、一つの発言に目が止まった。
そっかぁ〜、そんなことが言えるようになったんかぁ〜。
帰って来てから2ヵ月、かなり意固地になってるなと思ってたけど、私も知らないところで大人になってたんだね。
MYNWA
支えてくれるたくさんの人がいるって幸せなことだね。
そんな子供たちに囲まれてるって、ほんとに私は幸せな母親なんだな。

今年の親バカツアーレポート、まだまとめきらず。
このままだと来シーズンに入っちゃうぞ。
ちと頑張りますか。
2002年10月17日(木) ゴキブリ
台所の流しの上で、来し方行く末を考えているかのようなゴキブリ発見。
じっとタワシ置きの横にいるので、ゴキジェットを噴射したら、ポテッと流しに落ちた。
しばらく手足(どれが手でどれが足かは不明)をバタバタさせていたが、そのうち観念したらしく、静かに手足を折り畳んで、ご昇天遊ばした。
ジタバタしている間、力なく揺らしていた触角をその瞬間、天を突くかのようにピンと立たせている姿にゴキブリのプライドを見たような気がした。

生きてくって大変なことね。
2002年10月22日(火) 足りないもの
今日、おもしろい人に会っちゃった。
「相手に不足に思うものって、自分に不足してるものなんですよね」
ハッとした。
目からウロコの一瞬。
「ほんとは、今日取材受けるの、断ろうと思ってたのよ。数日前から考え込んでしまうことがあって」
え? 戸惑うことなく前に進んでいるように見えるあなたも何か抱えていたの?
そこから取材を離れて雑談するうちに、互いに妙にしんみりしてしまい..泣くのをこらえるのが精一杯だった。
「今日、話できてよかった」と言う私に「私もよかった。なんかふっきれたわ」という彼女。
ふっきれたのは、私の方です。
あなたに会えてよかった。

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Akiary v.0.42